今から15年ほど前、フリーランスとして駆け出しだった僕は、ある日“突然”うつ病を発症しました。
僕も20歳そこそこで、ラブさんも若かりし頃。

たしかに私も若かった。今となっちゃバb・・・殺すぞ。
もちろん不眠などの兆候はありましたが、ある日突然胸が絶望でいっぱいになり、立ち上がることもできず、何の涙かわからない涙や鼻水で溺れそうになりました。そのときの冷たいフローリングの感触を今でも覚えています。
心機一転、故郷を離れてからは、環境を変えたことでストレスも倍増、更に酷いことが立て続けに起こり、うつの症状も悪化。数年前にやっと寛容することができましたが、未だに季節性うつやうつの症状が現れることがあります。
いつかうつ病との闘いについては書こうと思っていますが、そんな経験をしたからこそ、季節性うつに関しても「鬱じゃないお前らに何がわかる!!!」という想いに駆られることが多いです。
この記事は「季節性うつ」を知らない方に向けても書いているので、季節性うつの症状についても触れています。
季節性うつの知識がある場合は「季節性うつ病の思考回路」から読み進めみてください😇
季節性うつ病の症状と原因
季節性うつは、秋から冬にかけての季節限定で発症することから「季節性感情障害(SAD)」という病名がついています。
季節性うつ病の症状
一般的に、以下のような症状が続く場合、季節性うつ病が疑われます。
- 気分が落ち込むことが多い
- 以前ならこなせた仕事をうまく処理できない
- ぐったりとして疲れやすい、体を動かすのがおっくうになる
- 今まで楽しんできたことを楽しめない
- 考えたり、集中する力が明らかに落ちている
- ふだんより睡眠時間が長くなったり、朝起きられなくなる
- 食欲が減退したり、逆に亢進し、炭水化物を中心に食べ過ぎてしまう
特に、身体のダルさ、重さなどの「倦怠感」や、何事にも興味がわかず、やる気も出ない「気力の低下」、不眠はもちろん今までは眠れなかったのに起きる時間になっても起きられない「過眠」も症状のひとつです。
また、甘い物やラーメン、うどんなど炭水化物を中心に食べすぎてしまう「過食」(うつ傾向にあるときは炭水化物を欲するようになると言われています)、悪化すると日常生活に支障をきたす程の重度の症状が表れる場合もあります。
冬に気持ちが落ち込む「季節性うつ病」 メンタルを強くする5つの方法
季節性うつ病の原因
秋から冬にかけて日照時間が減ることにより、脳内で幸せを感じる物質「セロトニン」が減少し、うつ病の症状が現れると言われています。
また、日照時間の減少により体内時計が乱れ、「視交叉上核」と呼ばれる神経がうまく作動しなくなることにより生理機能に影響が出てくるとも言われています。
北欧では自殺が多い!?
ヒュッゲや北欧インテリアなど日本でも人気の北欧。
北欧では日照時間が短く、室内で過ごす時間が多いため、機能的な防寒対策やインテリアへのこだわりが多いライフスタイルが生まれました。
その一方で、冬が長く、日照時間が短い北欧では自殺者が多いため、自殺者減少に取り組んでいる自治体もあり、街全体を巨大なライトで照らす取り組みや、街のスーパーなどで自殺防止のライトが販売されていたりと、うつ病、自殺リスクが高いという現実もあります。
季節性うつ病の対策(一般論)
一般的に季節性うつ病の対策には、以下のような方法がよく紹介されています。
- 栄養のある食事を摂る
身体にいい食事を摂ることで体調がよくなりストレスが軽減されます。 - ウォーキングなど身体を動かす
気持ちをコントロールする「ドーパミン」が分泌され、イライラや憂鬱な症状が改善されます。 - ToDoリストなどを作りタスクを整理する
達成感を感じることで、憂鬱な気分が改善されます。 - ライトなどを利用し、明るい環境に身を置く
日照不足による不調を改善し、体内時計を正常に戻します。 - 人と話してストレスを解消する
自分の気持ちを話すことでストレスが緩和されます。
季節性うつ病の思考回路

ふむふむ・・・
太陽の代わりになる明るい環境を作り、栄養のある食事を摂り、適度な運動をし、気の許せる友達と話してストレスを解消して、やることをキッチリ整理してこなす達成感を味わっていれば軽減できるということか。
アホちゃう\(^o^)/
マジでね、うつに苦しんでいる人ならわかると思いますが、「ふざけんなや!」です。
そんなことを知りたくてググったんじゃないわ、クソがッッッ!!!
僕もイチトレーニーとして、筋トレを行うとうつの症状が軽くなるのは事実。
でも、本当のうつのときって筋トレまで気持ちを持っていくのが難しいんですよね。
ひとつひとつ見ていきましょう
食事、運動のハードルの高さ
うつ状態のときは「食事や運動が大切なんだろうな」とちらりと頭に浮かぶときもあるのです。ましてや、これまでにもうつの症状が出た経験がある人は、人一倍鬱に対しての知識がある場合も多いので、食事や運動が鬱にもいいだろうというのは大概の人が知っています。
でもね?
それが正常に考えられないから「うつ」なんだよね。
ToDoリストや達成感も然り。

やる気も出ないし、栄養なんて考えられないし、なんならご飯なんていらない。運動?起き上がることすらままならないのに?
病院行くまでの勇気
もちろん精神科や心療内科に相談すれば適切な処置をしてくれますし、自殺企図の状態なら病院に行くのが正しいと思います。
ですが、精神科や心療内科に電話したり、診察を予約するっていうのだけでもものすごい負担なんです。中には「この程度で病院に行くなんて・・・」と思う方も多いはず。
頑張って電話したとしても、受付の応対がちょっとでもひどかったら、

もういいわ・・・このまま自殺する・・・死ねばいいんでしょ、死ねば・・・
と、更に症状は悪化していくし、こういうときに限って嫌なことは立て続きます。
(普段だったらやり過ごせるようなことにも過敏になっている)
友人という厄介な生きもの
大人になると「気の許せる友達」というもの自体、レアどころかいないに等しい方も多いと思うのですが(僕もそうです)こういうときに、「今自分がこういう状態で苦しんでいるんだ」と伝えても

大丈夫だって!心配いらないよ!死なないで!頑張って!
とか言われてしまう可能性が非常に高いです。
(伝えることすら大変なのに!!!)

(ダメだコイツ・・・もう縁切ろう・・・はぁ・・・)
季節性うつ病時の状態
うつ病の方の自宅に直接伺って統計をとったわけでないのですが、僕の経験上、うつ傾向にあるときはこのような状態になっています。
睡眠の乱れ
それまでは全然寝付けなかったのに、いつも通りの薬を飲んでいるのにも関わらず、突如全く起きれなくなる「過眠」の症状が出始めます。
過眠したことで「あぁ・・・今日も寝すぎてしまった・・・」と自分を責め、一日が短くなってしまったことで「あぁ・・・今日も何もできずに終わった・・・」と更に自分を責めます。
食事の乱れ
活動している時間が短いこともあり、食事を摂る時間にも狂いが生じます。
自炊はもちろん外食するのも億劫なので、コンビニ等で済ませようとしますが、同じような食事を摂ることがしんどくなり、そもそも食事を摂ること自体不要なものに思えてきます。
とはいえ、たまに適当な食事を摂ると、今度はカップラーメンやインスタントラーメンなどの炭水化物を大量に食べ始めたり、ラーメンを食べたあとにフルグラなど甘いものを食べるなどの「過食」に走ります。
部屋の散乱
「このままではいけない・・・」
という想いだけは人一倍あるので、なにかしようと行動を起こそうとしますが、それをやり遂げる気力はないので物が散乱します。
また、
- 憂鬱な気分に心が支配されている
- 気が散漫になる
- なにかをしている最中に違うことを考えてしまう
- 物を放置したまま、違うことを始めてしまう
- 結果、さらに物が散乱する
という事態に陥り、さらに物が散乱した部屋を見て、「このままではいけない・・・」のループにハマってしまいます。
季節性うつ病の脱出方法
そんなわけで僕も一日を「台無し」にすることが多いのですが、自分への備忘録のためにも、うつ状態から脱出できる方法をいくつかご紹介します。
ボーっとする
うつのときは気持ちとは裏腹に、何かわからない得体の知れないモノに急かされているような気分になります。頭の中もモヤモヤしたものでごっちゃごちゃ。
そんなときは1分、いや、10秒でもいいので、立ち止まってください。
そして5秒でもいいからボーッとゆっくり息を吐いてみてください。
大丈夫。
そんなに急がなくても、
あなたの心やキャパはそんなに狭くない。
赦す
ボーっとして謎の何者かに焦っていた自分に気付けたら、自分を赦してあげましょう。
うつのときは何をしていても自分を責めます。
「バカな夫や子どもが言う事きかなくてうつになってるのに!?」
と思う方もいると思いますが、実は「自分がなんとかしなきゃ」という想いと繋がっていたりします。
何もできないときはしなくていい。
今まで頑張ってきたあなたは絶対大丈夫。
何もできないこの時間は、
頑張ってきた自分へのご褒美。
ティッシュを捨てる
今、目の前に何がありますか?
いつか使ったペン、汚いマグカップ、皮脂でベタベタになったスマホ、飴やガムの包み紙、何を拭いたかわからないティッシュ、色んなモノを巻き込んで大きくなったホコリの塊・・・
いつもはキレイにしてるのに、本当はキレイにしたいのに、なぜか散らかっていきますよね。
そんなときは目の前にあるティッシュを1つ捨ててみてください。
ティッシュを1つ捨てられたなら、包み紙も捨ててみよう。
包み紙も捨てられたなら、ベタベタになったスマホを拭いてみよう。
スマホを拭けたならホコリの塊を捨ててみよう。
きっと、少しだけ心が軽くなって「もう少し片付けてみようかな?」と思い始めるはず。
汚れた食器が散乱してるキッチンを片付けたり、
うんこがこべりついた便器を掃除する必要はない。
まずは、ティッシュを捨ててみよう。
季節性うつの方に伝えたいこと
とか偉そうに言ってますが、僕も最近ひどい季節性うつで生活が乱れっぱなしで、収集日を逃してしまった燃えないゴミや大型ゴミのゴミ置き場と化しているベランダすらこんな状態でした。
(実際は鉢は倒れて、土やゴミが散乱していた)
当然のことながら家の中もゴッチャゴチャ。
家の中の整理する気力もないし、うんこがこびりついた便器を掃除する気力もありませんでした。
仕事は溜っていくけど、今までの倍以上時間がかかってしまう・・・
そんなときに
まずは自分のご機嫌をとるのが優先
と、「断捨離」の提唱者やましたひでこさんがブログかメルマガか何かで言っていたのを思い出しました。
(どこだったか失念・・・)

仕事が優先に決まってるだろ。断捨離なんてどれだけ体力消耗するか。時間のある主婦だからできることだわ。
と否定的でしたが、たまたまベランダで倒れていた鉢をひとつ起こしてみたんです。
すると、
じゃあ、今度はこのゴミも拾ってみよう。
じゃあ、今度はこの板をどうにかしてみよう。
と、1つそれまでごちゃごちゃだった頭の中が「ベランダをキレイにする」ということにフォーカスしてくるんですよね。
燃えないゴミの処分はできませんでしたが、普段視界に入っていないベランダなのに心がちょっとだけスッキリするのを感じました。
先程の写真と比べるとどうですか?

モノを捨ててはいないのに、これだけ心がスッキリする・・・これが断捨離か。
と感じざるを得ませんでした。
断捨離に興味のある方は、12月23日にBS朝日で「ウチ、断舎離しました。第5弾」が放送されるのでぜひ!
自分が心地よいモノ、コト、ヒト
鬱のときは
- ボーッとする
という簡単なことをやってみるのが本当に難しい。
「ボーッとしてる」つもりでも頭や心はザワザワしたままだったり。
中には「ボーッとする」ということを「赦していない」人も多いハズ(僕も)
そんなときは、順番を変えて、まずは「ティッシュを捨てて」みてください。(僕の場合はそれがベランダだった)
本当は心地良いを知っているあなただから、自分の心が心地よい方向に向かえるはず。
心が起き上がったら、筋トレをするのもよし、断捨離に励むのもよし。
今まで頑張ってきたあなたは絶対大丈夫。